CGS X3 日本語関係修正パッチ 提供開始2006/08/03 23:16

日本語版の発売を明日に控え、CorelDRAW Graphics Suite X3の修正パッチプログラムHot Patch 2 JPの提供が開始されています。8月3日現在、Corelダウンロードサイトから入手可能です。

この修正パッチは、基本的に日本語入力を使用する環境(Windows XP/2000日本語版および日本語入力ロケールを追加したXP/2000英語版)での、CGS X3日本語版/英語版の使用に対応したものとなっています。特に明記されていませんが、日本語版はService Pack 1対応済みなので、このパッチはSP1以降の修正のようです。パッチのデジタル署名も、日付は2006年8月1日になっているので、SP1より新しいものです。実際、CGS X3 SP1英語版/日本語版ともに、適用することができました。

修正内容は、「キーボード自動切り替え」機能がより正しく動作するようになった、とのことです。

「キーボード自動切り替え」は、CorelDRAWの多言語文書対応に付随するもので、入力済みテキストの言語属性に合わせて、入力ロケールが自動的に切り替わる機能です。例えば、アートテキストや段落テキスト内に、ロシア語の文字列があった場合、その部分をテキストツールで選択すると、入力ロケール(言語バー)がロシア語に切り替わります。

一般的な日本語環境であれば、使用するのは日本語だけのように思えますが、CorelDRAWMicrosoft Wordなどでは半角英数字に英語属性を与えています。CorelDRAWはデフォルトで「キーボード自動切り替え」をオンにしているので、この機能に問題があれば、通常の使用でも影響を受けます。ちなみに、この機能のオン/オフは、

  • 「オプション」ダイアログ-「作業領域」-「テキスト」パネルの「キーボード自動切り替え」チェックボックス

で切り替えることができます。

私自身は、日頃「キーボード自動切り替え」をオフにしていたので、Hot Patch 2 JPで、具体的に何が正常化されたのかは、はっきりわかりません。また、X3では、基本的に英語の文字列を選択しても、言語バーは入力ロケールそのものが切り替わるのではなく、日本語IMEの入力モードが「半角英数」に切り替わるようになっていたので、あまり誤動作には気付きませんでした。

ただ、多数のファイルを切り替えたり、長時間作成したりしているときなど、いつのまにか異なる入力ロケールや入力モードに切り替わってしまうことが散見されていたので、それらがどうなっているかは、これからの運用の中で確認していきます。

なお、CorelDRAWの多言語対応は、日本語と欧文の間ではほぼ問題はありませんが、東アジア言語(中韓日)同士では判別がうまくいかない場合があります。例えば、日本語として「ⓑ」のようなUnicode記号を入力すると、韓国語として認識されてしまいます。こうした点は、Hot Patch 2 JPでは修正されていません。まあ、日中韓の関係がうまくいかないのは、靖国神社に参拝するような愚かな政治指導者が絶えないので、どうにもならないのでしょう。

また、個人的には、12との相違点で、日本語IMEをオンにした状態でテンキー入力した半角数字や、MS-IMEの「カタカナ英語辞書」でカナから変換した半角英字を確定すると、それらが英語属性ではなく日本語属性になってしまう点(仕様なのかもしれません)は、元に戻してもらいたいと思っているのですが、Hot Patch 2 JPはこれにも関与していません。

とはいえ、Hot Patch 2 JPは、日本語環境での安定性に寄与するもののようですから、CGS X3日本語版セットアップ後に、このパッチを適用しておいた方がよいでしょう。

CGS X3日本語版 発売記念2006/08/04 21:45

CorelDRAW Graphics Suite X3日本語版の発売を記念して、「展示」コーナーに「ハナちゃんの想い出 その9」を追加しました。

また、「CorelDRAW」コーナーには、記事CorelDRAW Graphics Suite X3日本語版セットアップ」を掲載しました。

プレゼンテーションデザイン掲載2006/08/05 23:55

「展示」コーナーにプレゼンテーションデザイン「トラストDE」を掲載しました。

プレゼンテーション用資料のデザインを念頭に、CorelDRAW X3で制作したものです。

CorelDRAW X3新機能ツアー① 掲載2006/08/10 01:09

CorelDRAW Graphics Suite X3日本語版発売記念の続きとして、「技術・技法」コーナーに記事CorelDRAW X3 新機能ツアー①」を掲載しました。

記事の内容は、幾何学模様のパターンを作成する具体的な手順を通して、次の新機能を紹介していきます。

  • フィレット/スカラップ/面取り
  • ノード数の削減
  • スマート塗りつぶし
  • 連続複製
  • べベル(エンボス)効果

これらのうち、特に「スマート塗りつぶし」機能については、深く掘り下げて探求しています。

ほぼ、解説書1章分ぐらいの分量がありますので、面白い内容に仕上がっていると思います。もちろん、ソ連邦の官僚的計画経済のように、ただ文字数の量的な外延的拡大を目指しているわけではなく、質の面でも、それなりの体裁は整えてあります。CorelDRAW X3を使いこなそうと考えている方は、御一読ください。

なお、「①」と言うからには、もしかすると続きがあるかもしれません...

Flashエクスポートの技術的探求 掲載2006/08/12 16:16

「技術・技法」コーナーに、記事Flashエクスポートの技術的探求」を掲載しました。

この記事は、Microsoft Internet ExplorerActiveX仕様変更に伴うFlashの有効化を回避する方法を、技術的に解説したものです。

有効化(一度画像をクリックしなければならないこと)を回避するには、JavaScriptFlash画像を読み込ませるようにしなければなりませんが、CorelDRAW 10, 11, 12, X3Flashエクスポートでは、こうしたスクリプトは記述されません。

そこで、CorelDRAWFlashエクスポート用テンプレートを編集し、エクスポート時にスクリプトもHTMLファイルに書き込まれるようにする方法と、それを外部ファイルに保存する方法について、解説しています。

なお、ある程度JavaScriptについて理解していないと、この記事の内容は解りづらいかもしれませんが、ご容赦ください。

CorelDRAW X3 解説書 9月22日発売2006/08/16 11:35

いつの間にかコーレル株式会社サイトで、解説書CorelDRAW X3オフィシャルガイド 基礎テクニック編」の発売が告知されていたので、その著者としても、情報を公開しておきましょう。

  • タイトル: CorelDRAW X3オフィシャルガイド 基礎テクニック編
  • 著者: 黒住浩司
  • 出版: カーネルメディア
  • ISBNコード: 4-903420-03-5
  • ページ数: 416ページ(カラー128ページ)
  • 価格: 4,410円(税込)
  • 発売日: 2006年9月22日(予定)

著者に断りなく書名が決まってしまっていることは、はっきり言って不快なのですが、ね。

本書は、CorelDRAW X3の解説書です。PHOTO-PAINT X3Corel CAPTURE X3は、対象としていません。主要には以下の3章で構成されています。

  • PART-3 新機能と改良
  • PART-4 基本操作ガイド
  • PART-5 イラストの作成

新機能と改良

この章では、CorelDRAW X3の新機能と機能拡張を詳解しています。Corel本社もしくはコーレル社のサイトやパンフレット等で紹介されているものよりも、当然、詳しい内容です。

基本的には、Corel社のCorelDRAW Graphics Suite X3 Reviewer's Guide(英語、PDFパンフレット)を基にして、それぞれの機能を確認した上で紹介しています。また、同資料に触れられていなくても、X3英語版を半年近く使い続けている中で確認した機能や、Corel社ニュースグループなどで触れられていたものなども検証し、追加しています。

まあ、当サイトの「CDGS X 新機能/拡張」のうち、CorelDRAWの分をピックアップして、少しだけ詳しくしたような内容です。

基本操作ガイド

この章では、セットアップから始めて、CorelDRAWの起動、インターフェイス、基本図形オブジェクトの作図方法、オブジェクトの編集方法、ファイル操作、そして印刷と、基本的な操作の流れに沿って機能を解説しています。

それぞれの項目について、詳細に解説しているのは当たり前ですが、あらかじめお断りしておくと、CorelDRAWのすべての機能については触れていません。また、PowerTraceのような新機能についても、敢えてピックアップすることはしていません。あくまでも、CorelDRAWを扱う上での、基礎的な操作についてのみ、取り上げています。

イラストの作成

この章では、曲線オブジェクトの編集と作図方法――すなわちベジェ曲線の操作方法について、扱っています

内容は、

  1. 基本図形からイラストを描く
  2. ベジェ曲線で直接描く

の2つに大きく分け、「1」は基本図形を合成した上で、その曲線をベジェ曲線の操作方法で編集するというものです。「2」は、直接ベジェツールで曲線を描く方法を、基本から取り上げています。

ともに、練習用サンプルファイル(本書発売後に当サイトで公開します)を使って学ぶ、「講義」スタイルを取っています。当然、そのほとんどの操作手順も、明記しています。

もともと、この内容は、私が職業訓練で教えている、Adobe Illustratorの基本操作についての講義を、CorelDRAWに差し替えたものです。もちろん、単にIllustratorの“真似”をしているわけではありません。訓練校の講義自体、私がCorelDRAWで得た技術をIllustratorに差し替えたものなので、巡り巡って本来の講義内容になったというわけです。一方で、実際の授業の中で講義の中身を研鑽、向上させてきたので、そうした成果は本書に還元されています。一般的に、ベジェ曲線の操作は難しいとされていますが、なるべくそれを体験的に学習できるように努めたつもりです。

本書の目次を見ると、上記の2項目しかサブタイトルに掲げられていませんが、この部分で88ページを費やしているように、実質的に「基本操作ガイド」とともに本書の中核を成しています。


CorelDRAW関連の解説書は、最近では同じカーネルメディアから「CorelDRAW Essentials 2オフィシャルガイドブック」が刊行されていますが、同書と本書では、その趣は大きく異なっています。本書は、「CorelDRAW Essentials 2オフィシャルガイドブック」のような、作例主体の操作ガイドではありませんので、ご注意ください。また、文章量も格段に多くなっています。もちろん、ほとんどの項目には、CorelDRAW X3で作図した詳細な図解も入れてあるので、ご安心ください。

以上の内容で、本書の約400ページを埋め尽くしてしまったので、インタラクティブツールなどを使った応用的な操作や、テキストレイアウトやカラー分解などのDTP操作、Web画像/ページ作成といった部分には触れていません。基本操作とベジェ曲線操作の習得に、ターゲットを絞ったものになっています。

ページ数が無限であるなら、例えば作例紹介として、プレゼンテーション資料「トラストDEの作成手順(実は、すでに作成済みなのですが...)のようなものを載せたかったのですが、今回は割愛しました。また、先ごろ公開したCorelDRAW X3 新機能ツアー①」Flashエクスポートの探求」も、実は本書の構想に入っていたのですが、収まりきらないのでWeb上で放出した次第です。

実は、さらに以前からの構想として、CorelDRAW全機能のコマンドリファレンスも企画していたのですが、「ファイル」メニューの項目を途中(「送る」コマンド)まで執筆したところ、それだけで3万字を超えてしまいました。全コマンドとツールを網羅しようとすると、一冊の本でも収まるかどうかといった具合なので、やはり今回は断念しました。

私自身の姿勢としては、質の面でいい加減なものや、妥協した内容のものは作る気がないので、今回は、「基礎テクニック」としてまとめられるものを、その内容を減ずることなく掲載しました。特に、「ベジェ曲線で直接描く」は、ほんものの「基礎講座」(それを本書のタイトルにしたかったのですが...)として、役立つ内容になっていると思います。

なお、本書をセットにしたCorelDRAW Graphics Suite X3も発売されます。

これは、CDGS X3通常版との組み合わせです。

とにもかくにも、CorelDRAW 8以来、7年ぶりで本格的な解説書を執筆できたことは、よかったと思います。そして、当時としては何よりも詳しかった拙著「CorelDRAW 8J DESIGN GUIDE」ですが、私のCorelDRAWに対する造詣は、より深くなっています。それが今回の解説書で、読者の方のお役に立つことを願っています。

ポスター風作品掲載2006/08/17 15:33

「展示」コーナーに、山椒魚「アンドリアス・ショイフツェリ」のポスターを掲載しました。

CorelDRAW X3で、テクスチャ塗りつぶし、ビットマップパターン塗りつぶし、スマート塗りつぶし、フィレット/スカラップ、エンボス効果、等高線効果、透明効果、ドロップシャドウ効果などを利用して、描いています。

ビットマップ効果風に見える部分もありますが、PHOTO-PAINTなどは使っていません。

山椒魚ポスター追加2006/08/19 03:06

先に掲載した「アンドリアス・ショイフツェリ」に、ポスターをもう一枚追加しました。

山椒魚を、もう少し描き込み、ポスターのテーマを変えてみました。

追伸

アンドリアス・ショイフツェリの原画を、ポヴォンドラ氏の切り抜きより発見しました。(8月19日午後11時)

「山椒魚戦争」サイト掲載2006/08/26 20:22

「別世界」コーナーに、サンプルサイト「山椒魚戦争」を掲載しました。

元々このサイトのホームページは、CSSを使ったページレイアウトの見本として、職業訓練校での授業のために制作したものです。「標準モード」対応のブラウザ(IE6/7, FireFox1.5)などで、縦方向に伸縮するレイアウトをCSSで組む方法を、検証するためのものです。

それに対して、ただ骨組みだけのページではつまらないと思い、先頃制作した「アンドリアス・ショイフツェリ」関連の内容を、掲載記事に流用しました。また、ページのテーマに合わせ、CorelDRAW, PHOTO-PAINT X3Web用画像も追加しています。

今のところ、サイトといっても1ページしかなく、他のコンテンツを制作するかどうかも決めていません。まあ、しかし、学校の生徒に見せるだけではもったいないので、「別世界」コーナーに掲載した次第です。