「小次郎」イラスト完成2009/03/07 23:11

CorelDRAW国際デザインコンテストのために制作していた、愛猫「小次郎」のイラストが完成したので、早速、「イラスト全般&美術」部門に応募しておきました。

小次郎のイラスト

このイラストは、以下の写真を構図の元として、すべてCorelDRAW X4で制作しています。

イラストの元写真

イラスト自体は、一種のリアリズムを追求していますが、上に掲載した画像を比較すればわかるように、元写真どおりに再現することを目指したわけではありません。写真の構図に合わせて全体的な輪郭をオブジェクトで構成した後は、いわば油絵で絵具を塗りつけるような感覚で、詳細なベクトルオブジェクトで飾り立てていきました。とはいえ、A4 300dpi(幅約3500ピクセル)程度のビットマップ画像に書き出さなければ、その質感は再現されません(上のイラスト画像は幅480ピクセル)。

なお、Webページ用JPEG画像に変換する際に、一度PHOTO-PAINT形式ファイルにして「アンシャープ調整」効果を適用していますが、イラストそのものはすべてベクトルオブジェクトです。毛並みの質感は、すべてCorelDRAWの機能で表現しています。オブジェクトの総数は46,886、ノードの総数は369,369となり、ファイルサイズは約16MB。等高線、ドロップシャドウ、オブジェクト透明、テクスチャ塗りつぶしといった効果も多用しているので、いつもどおり、ベクトル図形のイラストとしては巨大なサイズになっています。

ちなみに、今回の制作環境は、Windows 7 Beta 64bitでCorelDRAW X4日本語版を使用しました。実は、Windows 7の出来栄えに感動し、評価用サブPCだけでなく、私のメインPCもWindows 7 Betaに移行させてしまいました。その下で今回の”重い”イラストを作成したのですが、CorelDRAWは一度もエラーで落ちることはありませんでした。このイラスト作成を通じて、Windows 7の安定性と、CorelDRAW X4との親和性も、確認することができたわけです。それが、現時点での、最大の収穫でした。

あとは、私のイラストがどう評価されるのか、6月以降のコンテストの結果待ち、という次第です。

チュートリアル「X4 テーブルツールの応用」掲載2008/08/17 21:39

2008年8月15日のCorelDRAW Graphics Suite X4 日本語版発売を記念して、「技術・技法」コーナーに、CorelDRAW X4のチュートリアル記事「X4 テーブルの応用」を掲載しました。下の完成見本と同じイラストを作るための、すべて手順を明示するとともに、機能の解説を行っています。

完成見本

「テーブルの応用」と銘打っているので、いちおう、X4の新機能である「テーブル ツール」に触れています。といっても、ふつうの表の作り方を解説しているわけではありません。完成見本のようなマス目を作るために、”応用”しているだけです。故に、全体をとおした内容は、CorelDRAW 全般の機能紹介といったところです。

Table Preset Docker2008/07/19 09:34

Corel社が運営するCorelDRAWコミュニティサイト「CorelDRAW.com」のブログに、「CorelDRAW insider」というコーナーがあります。ここの内容は、主として開発者向け情報のようですが、アドオンとしてカスタムドッキングウインドウをCorelDRAWやPHOTO-PAINTに追加する方法を紹介した記事(「Custom add-ons and dockers in CorelDRAW」 by Jeff Harrison)が掲載されています。

そのサンプルとして、「Table Preset Docker」というカスタムドッキングウインドウをもとに、 ソースコードの解説やインストール方法が紹介されています。XML、 XSLT、VBA、HTMLおよびJavaScriptの知識があれば、この記事をより理解できるとのことですが、私が持ち合わせているのはHTMLとJavaScriptぐらいまでの知識なので、まだまだ敷居が高いようです。しかし、単に「Table Preset Docker」をダウンロードして利用する、というだけなら誰にでもメリットがあるでしょう。

「Table Preset Docker」は、CorelDRAW X4で新設された表(テーブルオブジェクト)に対し、1クリックでプリセットの表デザインを適用できます。また、ドッキングウインドウ内に「カスタム」タブも用意され、プロパティバーよりも簡単に表の一括デザインができるようになっています。もし機能に不満があれば、自分でソースコードを変更し、さらにカスタマイズするべきなのでしょう。

Table Preset Docker 

「Table Preset Docker」は、記事の末尾にあるリンクから「TablePresetDocker.zip」ファイルをダウンロードします。CorelDRAWを起動している場合は終了し、ダウンロードしたファイルから解凍した「TablePresetDocker」フォルダを以下のフォルダにコピーします。

64bit Windowsの場合
C:\Program Files (x86)\Corel\CorelDRAW Graphics Suite X4\Programs\Addons\Draw
32bit Windowsの場合
C:\Program Files\Corel\CorelDRAW Graphics Suite X4\Programs\Addons\Draw

次にCorelDRAWを起動すると、「Table Preset Docker」ドッキングウインドウが使用できるようになります。もちろん、テーブルオブジェクトはX4の新機能ですから、旧バージョンでは利用できません。

CDGS X4 SP1のNikon D60対応2008/07/17 02:39

先に、Paint Shop Pro Photo X2.10のRAWファイル対応の記事で触れましたが、Corel PHOTO-PAINTおよびCorelDRAW X4 Service Pack 1では、Nikon D60 RAWファイルの読み込みに対応しています。

SP1適用前でも、無理やり読み込ませることはできましたが、正式対応により、正常な画像として開くことができるようになりました。下の画像が、初期設定のままで読み込んだ結果です。

SP1での読み込み結果

なお、X4ではRAWファイルの読み込みに直接対応(X3では、「RawShooter essentials 2005」を添付。同アプリケーションは後にAdobe Systems社が買収)したため、RAWファイルを開くと専用の「カメラ RAW ラボ」ダイアログが表示されます。X4 SP1 英語版で、紹介しておきましょう。

「カメラ RAW ラボ」ダイアログ

これは、「ラボ」という命名から推察されるとおり、「イメージ調整ラボ」に近い機能を持ったダイアログです。もちろん、「カラー」タブの設定項目は、"RAW現像"に対応した内容です。

「カラー」タブ

  • ホワイトバランス
    • 撮影形式
    • 自動
    • 昼光
    • 曇り
    • タングステン
    • 蛍光灯
    • フラッシュ
    • カスタム
  • 色温度
  • 着色
  • 彩度
  • 露出
  • 輝度

「詳細」タブでは、「シャープ度」のほか、画像ノイズを調整する「輝度ノイズ」「カラーノイズ」の項目があります。

「詳細」タブ

また、「プロパティ」タブでは画像/撮影情報を確認できます。SP1では、Nikon D60にきちんと対応していることが分かります。

「プロパティ」タブ

X4日本語版はSP1適用済みなので、D60のRAWファイルをそのまま読み込めるでしょう。「カメラ RAW ラボ」も、もちろん日本語表記になります。

CorelDRAW Graphics Suite X4 ハイライト その52008/02/03 19:59

ConceptShare

CorelDRAW X4、Corel PHOTO-PAINT X4には、「ConceptShare」ドッキングウインドウが追加され、ConceptShareサイトに作業中の文書をアップロードできるようになっています。

CorelDRAWで開いた文書

ドッキングウインドウでは、あらかじめ登録しておいたアカウントを使い、ConceptShareサイトにログインします。

サイトへログイン

新しく文書をアップロードする場合は、新規ワークスペースを作成します。タイトルやコメント等に、日本語も入力できました。

新規ワークスペースの作成

ワークスペースが登録されたら、「ページの発行(Publish Page)」をクリックして、アップロードします。文書によっては、数分かかる場合があります。

ページの発行

そして「起動(Launch)」をクリックすると、ブラウザ(下の画面はInternet Explorer 7)が起動し、ConceptShareサイトのワークスペースが表示されます。ここからは、ブラウザでの操作になります。

表示されたワークスペース

このサイトの役割は、その名のとおりインターネットを介して「コンセプトを共有する」ことですが、簡単に言えばオンラインでデザインの打ち合わせができるのです。たとえば、デザイン(カンプ)をクライアントに見せて、コメントや修正を入れてもらうことができます。

コメントの入力

ワークスペースのインターフェイスは英語ですが、コメントや文書名は日本語で表示できました。

ワークスペースの利用

「People」パネルにオンラインユーザーも表示されるので、試してはいませんが、同時に打ち合わせや校正もできそうです。

CorelDRAW Graphics Suite X4 ハイライト その42008/02/02 11:47

「Straighten Image」ラボ

ビットマップ画像の傾きを修整するダイアログです。CorelDRAW(ビットマップオブジェクトのみ)とPHOTO-PAINTで利用できます。

修整前の写真

ダイアログのプレビューにはグリッドが表示され、これに合わせて角度を調整します。

ダイアログの表示

操作はいたって簡単で、プレビューを見ながら「画像の回転」(Rotate image)スライダを左右にドラッグするだけです。

画像の回転スライダ

プレビューの拡大表示、グリッドの間隔や色の変更も、もちろん可能です。画像の水平もしくは垂直であるべき部分を、グリッドに合わせて回転させます。

プレビューの拡大表示

修整結果は矩形にトリミングされるので、元画像より小さくなります。

傾きの修整結果

また、元画像のサイズに合わせて修整結果を拡大することも、可能です。

CorelDRAW Graphics Suite X4 ハイライト その32008/02/01 12:25

ページ毎の独立レイヤ

CorelDRAW X4では、ページ毎に独立したレイヤを設定できるようになりました。「ガイドレイヤ」も、各ページに1つ配置され、ページ毎に異なるガイドラインを引くことができます。

この変更に伴い、「オブジェクトマネージャ」ドッキングウインドウのレイアウトも、変更されています。

オブジェクトマネージャの表示

マスターページに、共通のガイドラインやオブジェクトを配置するマスターレイヤを作成する点は、従来どおりですが、通常レイヤとマスターレイヤの重ね順は、各ページ毎に異なる設定ができるようになっています。

CorelDRAW Graphics Suite X4 ハイライト その22008/01/29 00:54

テーブルツール

CorelDRAW X4では、従来の「グラフ用紙ツール」とは別に、表を作成する「テーブルツール」が新設されました。下図は、テーブルツールで作図した表です。

CorelDRAW X4で制作した表

斜線部分は、セルを選択した状態です。セル内のテキストは段落テキストなので、行揃えはもちろんのこと、インデントの指定や縦組も可能です。

表オブジェクト全体を選択したときのプロパティバー

Property Bar: Table Tool

HTMLで言うところの、cellspacing(セルの間隔)を設定するオプションなどがあります。

「オプション」ドロップダウンパネル

セルを選択したときのプロパティバー

Property Bar: Edit Table Cell

選択セルの罫線を設定する「Border」パネルや、HTMLで言うところのcellpadding(セルの内側余白)を設定する「Margins」パネルなどがあります。

「Border」パネル 「Margins」パネル

もちろん、セルの結合や分割も可能です。セルのサイズも、ドラッグ操作で調整できます。

なお、表オブジェクトを分割すると、セルごとに段落テキストと(長方形の)曲線オブジェクトに分かれます。

LEDイルミネーション風効果の作成2007/05/26 21:16

Q&Aコーナーに、CorelDRAW X3によるLEDイルミネーション風効果」の作成方法を掲載しました。

ベクトルオブジェクトの輪郭線に透明効果とドロップシャドウ効果を適用し、再現してみました。

LEDイルミネーション風効果

CorelDRAW X3 オフィシャルガイドブック発売2006/09/12 13:03

CorelDRAW X3 解説書拙著CorelDRAW X3オフィシャルガイドブック 基礎テクニック編」が、本日発売になりました。表紙には(厚かましく)カメレオンのカルロス君が陣取っていますが、これは私の趣味ではありません。私の趣味は、山椒魚です。オフィシャルガイドなので、このような装丁になったまでです。

幻の表紙ほんとうは、カメレオンでも山椒魚でもなく、私は猫の表紙にしたかったのですが、却下されました。そんな無念の残る本ですが、中身の解説の方は、もちろん自信作です。

本書の特徴は、CorelDRAWの基本操作と、ベジェ曲線操作の習得に重点を置いていることです。特にベジェ曲線操作に関しては、詳細な手順と具体的な課題を提示して、「PART-5 イラストの作成」で解説しています。

「5.1. 基本図形からイラストを描く」では、

  1. 文書を新規作成
  2. トレース用画像(猫の写真)の読み込み
  3. レイヤの使用
  4. 基本オブジェクト(楕円形)で構図を作成
  5. オブジェクトの合成(ウェルド)
  6. 合成したオブジェクトのパス編集で猫の輪郭を作成
  7. 猫の模様を基本オブジェクトで合成(インターセクション)、パス編集
  8. 特殊効果(ドロップシャドウ、等高線、エンボス)の試用
  9. 印刷

という手順を通して簡単な猫のイラストを描き、ベジェ曲線の編集方法に慣れることができるようにしています。また、その合間には、いくつかのオブジェクト操作に関する基本テクニックを、忍ばせてあります。

「5.2. ベジェ曲線で直接描く」では、

  1. ベジェツールで直線セグメントを描く
  2. ベジェツールで曲線セグメントを描く
  3. ベジェツールで尖化ノードを切り替えながら曲線セグメントを描く
  4. ベジェツールで対称化/スムーズ化ノードを切り替えながら曲線セグメントを描く
  5. ベジェツールで直線/曲線(尖化/対称化/スムーズ化)が複合したパスを描く
  6. 猫のイラストをベジェツールで描きなおす
  7. 複雑な模様の写真をベジェツールでトレースする

といったステップで、ベジェ曲線の描画を習得できるようにしています。

サンプルファイルのダウンロード

なお、このベジェ曲線操作(「PART-5 イラストの作成」)に必要なサンプルファイルは、以下のサイトからダウンロードできます。

サンプルファイルは、本書の練習目的でのみ、使用できます。また、CorelDRAW形式のファイルは、すべてX3専用です。旧バージョンでは、これらのファイルを開けません。もちろん、サンプルファイルを見ただけでは、何を練習すればよいのかは分かりませんので、本を買ってください。