IE仕様変更への対応2006/04/04 00:42

IE6,7 Active X仕様変更の概要

遅ればせながら、Internet Explorer 6及び7Active Xコントロールに対する仕様変更に対応しました。

この仕様変更は、特許に関する司法上の問題を回避するため、FlashムービーなどのActive Xコントロールを使って表示するオブジェクトに対し、一度クリックして有効化する手順が追加される」、というものです。現状では、Internet ExplorerActiveX更新プログラム(KB912945)」をインストールする、もしくはInternet Explorer 7 Beta2(3月20日版)を使用すると、この仕様変更が適用されます。

なお、KB912945Windows Update等ではまだオプション扱いになっていますが、いずれ更新プログラムとして適用されることになります。

具体例

例えば、Flash画像内にリンクボタンを組み込んでいる場合、そのボタンをクリックする前に、Flash画像全体を一度クリックしなければなりません。

C.D.R.サイトでは、サイトのロゴがFlash画像になっていて、これをクリックするとホームページ(index.htm)に戻れるようにしています。この仕様変更が為されると、2回クリックしなければホームページに戻れません。

他にも、関連ページのリンクや、展示コーナーのリンクにFlashを使っていますが、リンクボタンのFlash画像を、有効化のために一度クリックしなければならないという操作は煩雑ですし、インターフェイスとしては使い辛くなってしまいます。

回避策

仕様だから仕様がない――というわけですが、従来どおりの操作性にする“抜け道”として、Flash画像のHTMLコード(objectもしくはembedタグ)を、外部Java Scriptファイルに記述して読み込ませる」、という方法が推奨されています。当サイトも、リンクを組み込んであるFlash画像は、すべてこの方法に切り替えました。

リンクを組み込んでいない、純粋に画像としてのFlashに関しては、もう面倒なので、そのままにしてあります。ですから、こうした画像を拡大表示するような場合は、一度クリックして有効化し、それから右クリックでメニューを表示してください。

CorelDRAW Embroidery Effect2006/04/24 21:06

Corel社よりCorelDRAW 12, X3用プラグイン、CorelDRAW Embroidery Effectの無償提供がアナウンスされています。

Embroidery Effect”とは、直訳すれば“刺繍ししゆう効果”ということです。Corel Graphics製品に詳しい方であれば、刺繍と聞いてピンと来るでしょう。そうです、このプラグインは、あのCorel DRAWings X3から派生した機能です。

DRAWingsは服飾業界向けの特定用途アプリケーションで、CorelDRAWのインターフェイスでイラストを作図し、それを刺繍の絵柄に変換することができます。もちろんDRAWingsは、実際の刺繍製品を製造するためのデータまでを出力することができ、そのため10万円を超える高価なソフトになっています。しかも、英語版のみです。

これに対し、無償提供される今回のプラグインは、ベクトルイラストを刺繍風のビットマップ画像に変換するだけの機能しかありません。実際の繊維製品を製造するまでのワークフローを、さすがにCorel社も無償提供はしないでしょう。

このプラグインの役割は、服飾デザイナー等が、刺繍の図案をより本物らしくプレゼンテーションできるような作業環境を、提供するものと言えます。もちろん、製品を製造する側がDRAWingsを導入していれば、デザイナーからCorelDRAWデータを受け取ることで、製造までの一貫したワークフローを構築できます。紙媒体におけるDTPデザイナーと印刷会社との関係と、同じようなものですね。

まあ、こうしたワークフローを構築するには、“入口”にCorelDRAWを使いこなせるデザイナーの存在が必要ですから、Adobe Illustratorにどっぷりと浸かってしまっている日本では、やはり難しいことかもしれません。それでも、こうした部分に、CorelDRAWの可能性があるとも言えます。もちろん、この記事を読んでくださった繊維/服飾業界の方、私がCorelDRAWでデザインを制作することもできますよ。

という営業活動はさておき、このプラグインを、“業界向けの特殊機能のみ”、と一般ユーザーが切り捨ててしまう必要はありません。それでは、もったいないお化けに呪われてしまいます。単純に、「刺繍風の画像を作る特殊効果」だと考えて、趣味のイラストに使っても構わないのですから。もともと、DRAWingsが初めて登場した際に、私は“この刺繍効果だけでもCorelDRAWで使えたらいいのにな~”と気楽に考えていました。それが今回、やっと実現したわけです。服飾業界に関係ない人でも、イラストの表現力を高めるバリエーションのひとつとして、「Embroidery Effect」は手軽に役立つでしょう。

なお2006年4月24日現在、「Embroidery Effect」の紹介ページは存在するものの、同ダウンロードページで「ダウンロード(Download)」ボタンをクリックしても体験版ソフト一覧ページに切り替わるだけで、提供準備はまだできないようです。ダウンロードが可能になり次第、追加情報を提供していきたいと思います。

Embroidery Effect 提供開始2006/04/25 01:15

先に紹介したCorelDRAW 12, X3用プラグイン、CorelDRAW Embroidery Effectの提供が開始されています。同ダウンロードページから、セットアップファイル

  • DrawingsEmbroideryEffectESD.exe」(サイズ: 9.8MB

を入手できます。

このファイルを実行すると、セットアップファイル群が

  • C:\Program Files\DRAWings(R) Embroidery Effect Setup Files」フォルダ

に展開され、そこから

  • C:\Program Files\Embreoidery_Effect」フォルダ

にインストールされます(標準設定の場合)。

CorelDRAWへの組み込みは自動で行われ、メニュー「効果」に「Embroidery Effect」コマンドが追加されます。ちなみに、インストールしたパソコンにはCorelDRAW8, 9, 10, 11, 12日本語版、X3英語版が同居しているのですが、キチンと12, X3だけにコマンドが追加されました。

操作はいたって簡単で、まずオブジェクトを選択し、それから「Embroidery Effect」コマンドをクリックするとダイアログが表示されます。ここで解像度と「生地の種類(Fabric type)」を選択します。種類は

  • Heavy
  • Normal
  • Normal Light
  • Light
  • Ultra Light

の5種類で、布目の粗さを表しています。とりあえずHeavyを使ってみると、この効果の何たるかがよくわかるでしょう。なお、ダイアログは英語表記ですが、CorelDRAW 12日本語版でも問題なく動作します。

ダイアログで「OK」ボタンをクリックすると、刺繍の質感に変換されたビットマップ画像が、ドキュメント内に生成されます。以下の画像が、適用結果の見本です。

刺繍効果の適用

CorelDRAW初のオリジナルプラグインが登場したわけですが、CorelDRAWの様々な可能性を広げるものとして、期待できるでしょう。