CDGS、ロシア連邦の小中学校に供与 ― 2008/01/16 10:02
昨年は、ほとんど更新を怠ってしまいましたが、2008年はCorelにも新しいニュースがありそうなので、真面目にブログとサイトの更新に取り組みたいと思います。
さて、その第一弾として、Corel社のニュースリリースに面白い記事を見つけました。CorelDRAW Graphics Suiteが、ロシア連邦の教育機関に学習用教材として採用されたというものです。この結果、100万本のライセンスがロシア連邦に供与され、同国のすべての小中学校で、CorelDRAW Graphics SuiteおよびPaint Shop Pro XIが使われるようになるそうです。
もともと、同国では、(スターリニストの)ソヴィエト連邦時代末期にCorelDRAWが「密輸」され、DTPの黎明期を築いたという逸話が残っています。また、ロシアを含め、中国、インドといった近年の世界経済成長セクターにおいても、CorelDRAWはメジャーな存在になっています。かつては、「先進」国の周辺セクターであった諸国にCorelDRAW Graphics Suiteはいつのまにか浸透し、それらの国々の経済成長とともに躍進の機会を窺っているという状況なのでしょう。今回のロシア教育分野への進出は、その基礎を固めることになります。
もちろん、天然資源価格の高騰に依存するロシアが、いつまでも成長セクターに留まっていられるとは限りません。また、プーチンとその傀儡が操る資本主義ロシアには、トロツキーやレーニンらが樹立したソヴィエト連邦の美しさもありません。とはいえ、CorelDRAWがまったく顧みられない日本の現状という一点のみと比較するなら、こうしたロシアも、そして中国やインドも、日本よりまともな国といえるでしょう。
「格差」社会が進行する日本でも、いつまでもAdobe Illustrator一辺倒では立ち行かないはずなのですが、金満国家だった頃の栄華に思いをはせて、高額ソフトウェアでその慰めを得ているのでしょうか。そのような夢現から脱却して、日本の小中学校でこそ、CorelDRAWを教材として使える環境を整えてもらいたいものです。
CorelDRAW Graphics Suite X4 登場 ― 2008/01/23 00:45
CorelDRAW Graphics Suiteの最新版、「CorelDRAW Graphics Suite X4」(英語版)がCorel社より発表されました。
新機能や改良点の詳細は、近いうちにサイトの記事で詳細を解説しますが、以下にその概要をまとめておきます。
GRAPHICS SUITE 全般
- デジタルカメラのRAW ファイルの読み込みに対応
- PDFエクスポートでAcrobat 8形式に対応
- PDFインポートでコメントをレイヤに変換
- PhotoshopおよびIllustrator CS3 ファイル形式(非圧縮に限定)に対応
- Illustrator CS2/3形式へのテキストの書き出しに対応
- 最新のDXF/DWG形式に対応
- Microsoft Word 2007 形式のインポートに対応(CorelDRAW)
- Microsoft Publisher 2002~2007形式のインポートに対応(CorelDRAW)
- 最新のCorel Painter形式に対応
CorelDRAW と Corel PHOTO-PAINT
- ConceptShareサイト(デザイン/イメージの共有サイト)へのアップロードに対応(コマンドもしくはドッキングウインドウでアクセス)
- カラーマネジメントのカラーエンジンとしてMicrosoft Windows Color System (WCS)を利用可能(Windows Vistaのみ)
- カラーマネジメントのカラーエンジンとしてAdobe CMMを利用可能
- ビットマップ画像の傾きを補正する「Straighten Image」ラボ(ダイアログ)を新設
- テキストの設定が直ちに画面上で反映されるライブテキストプレビュー機能を追加
- CorelDRAWおよびPHOTO-PAINTファイルでWindows Desktop SearchもしくはWindows Vista Searchのインデックスをサポート(キーワード、メモ、ランク等)
- 「ドキュメント情報」ダイアログの改良
- CorelDRAWおよびPHOTO-PAINTファイルのサムネールを高画質化
- WhatTheFont.comを利用したフォントの確認に対応(欧文フォントのみ)
- デフォルト数値設定の最適化とメートル法への準拠
- マウスホイールのデフォルト動作(スクロールもしくはズーム)を変更可能
- アプリケーション起動時に作業領域の選択が可能
- 起動画面(「ようこそ」ウインドウ)を「クイックスタート」として機能強化
- 「ファイルを開く」「名前を付けて保存」「インポート」「エクスポート」ダイアログがWindows Vistaのインターフェイスに完全対応
- アプリケーションインターフェイスをWindows Vistaに最適化
- アイコンデザインの一新
CorelDRAW
- ページごとに独立したレイヤに対応
- 「オブジェクト マネージャ」ドッキングウインドウの改良
- テーブルツールが新設され表の作成に対応
- 段落テキストの水平/垂直反転に対応
- テキストの「クイック修正」で言語別の引用符オプションに対応
- 「テンプレートから新規作成」ダイアログの改良
- 「差し込み印刷」ウィザードと機能の改良
- VBAマクロに「記録キャンセル」「テンポラリマクロの記録」「テンポラリマクロの実行」コマンドの追加
Power Trace
- トレース機能の改良
- トレース結果の向上
- センターライントレースモードの追加
Corel PHOTO-PAINT
- 「イメージ調整ラボ」ダイアログの改良
- 「トーンカーブ」ダイアログの改良
- レンズに「チャンネルミキサー」を追加、「Black and white」「Gradient Map」「Photo filter」を新設
Corel CAPTURE
- キャプチャイメージをWhatTheFont.comに直接送信し使用フォント(欧文のみ)の確認が可能
なお、すでにCorel社 ダウンロードページから15日間フル機能が使える体験版(英語版)をダウンロードできるようになっています。ただし、Corelアカウントを登録する必要があります。ダウンロード時のほか、初回起動時にもこのアカウントが必要になるので、登録は必須です。
ちなみに、アプリケーション起動直後に表示される「クイックスタート」は、ブックレット風のインターフェイスで、CorelDRAW/PHOTO-PAINTの作品を紹介する「ギャラリー」ページがあります。このページを開くたびに、ランダムに2つの画像が表示されるのですが、そこに私の作品が2点、登録されています。
この2枚が揃って表示されることは滅多にありませんが、ハナちゃんと小太郎は国際デビューができたわけで、感動しています。
CorelDRAW Graphics Suite X4 ハイライト その1 ― 2008/01/27 19:07
高画質化されたファイルのサムネール
CorelDRAWやPHOTO-PAINTのファイルは、フォルダで表示されるサムネールの画質が向上しました。以下は、Windows Vistaでの各サイズの表示です。
小アイコン/詳細
この場合は、アプリケーションのアイコン表示のみです。
中アイコン
大アイコン
このサイズで、画質の向上がはっきりと確認できます。
特大アイコン
最大サイズでも美しく表示され、視認性が向上しています。サムネール画像は、フルカラーでJPEG圧縮のようです。
なお、旧バージョンで保存したファイルのアイコンは、従来の256色表示・アンチエイリアスなしのままです。X4形式で保存した場合に、サムネールが高画質化します。
CorelDRAW Graphics Suite X4 ハイライト その2 ― 2008/01/29 00:54
テーブルツール
CorelDRAW X4では、従来の「グラフ用紙ツール」とは別に、表を作成する「テーブルツール」が新設されました。下図は、テーブルツールで作図した表です。
斜線部分は、セルを選択した状態です。セル内のテキストは段落テキストなので、行揃えはもちろんのこと、インデントの指定や縦組も可能です。
表オブジェクト全体を選択したときのプロパティバー
HTMLで言うところの、cellspacing(セルの間隔)を設定するオプションなどがあります。
セルを選択したときのプロパティバー
選択セルの罫線を設定する「Border」パネルや、HTMLで言うところのcellpadding(セルの内側余白)を設定する「Margins」パネルなどがあります。
もちろん、セルの結合や分割も可能です。セルのサイズも、ドラッグ操作で調整できます。
なお、表オブジェクトを分割すると、セルごとに段落テキストと(長方形の)曲線オブジェクトに分かれます。