CorelDRAW Embroidery Effect ― 2006/04/24 21:06
Corel社よりCorelDRAW 12, X3用プラグイン、「CorelDRAW Embroidery Effect」の無償提供がアナウンスされています。
“Embroidery Effect”とは、直訳すれば“
DRAWingsは服飾業界向けの特定用途アプリケーションで、CorelDRAWのインターフェイスでイラストを作図し、それを刺繍の絵柄に変換することができます。もちろんDRAWingsは、実際の刺繍製品を製造するためのデータまでを出力することができ、そのため10万円を超える高価なソフトになっています。しかも、英語版のみです。
これに対し、無償提供される今回のプラグインは、ベクトルイラストを刺繍風のビットマップ画像に変換するだけの機能しかありません。実際の繊維製品を製造するまでのワークフローを、さすがにCorel社も無償提供はしないでしょう。
このプラグインの役割は、服飾デザイナー等が、刺繍の図案をより本物らしくプレゼンテーションできるような作業環境を、提供するものと言えます。もちろん、製品を製造する側がDRAWingsを導入していれば、デザイナーからCorelDRAWデータを受け取ることで、製造までの一貫したワークフローを構築できます。紙媒体におけるDTPデザイナーと印刷会社との関係と、同じようなものですね。
まあ、こうしたワークフローを構築するには、“入口”にCorelDRAWを使いこなせるデザイナーの存在が必要ですから、Adobe Illustratorにどっぷりと浸かってしまっている日本では、やはり難しいことかもしれません。それでも、こうした部分に、CorelDRAWの可能性があるとも言えます。もちろん、この記事を読んでくださった繊維/服飾業界の方、私がCorelDRAWでデザインを制作することもできますよ。
という営業活動はさておき、このプラグインを、“業界向けの特殊機能のみ”、と一般ユーザーが切り捨ててしまう必要はありません。それでは、もったいないお化けに呪われてしまいます。単純に、「刺繍風の画像を作る特殊効果」だと考えて、趣味のイラストに使っても構わないのですから。もともと、DRAWingsが初めて登場した際に、私は“この刺繍効果だけでもCorelDRAWで使えたらいいのにな~”と気楽に考えていました。それが今回、やっと実現したわけです。服飾業界に関係ない人でも、イラストの表現力を高めるバリエーションのひとつとして、「Embroidery Effect」は手軽に役立つでしょう。
なお2006年4月24日現在、「Embroidery Effect」の紹介ページは存在するものの、同ダウンロードページで「ダウンロード(Download)」ボタンをクリックしても体験版ソフト一覧ページに切り替わるだけで、提供準備はまだできないようです。ダウンロードが可能になり次第、追加情報を提供していきたいと思います。