X3 印刷の不具合と思いきや... ― 2006/03/30 21:58
「えぇ、印刷が...」という冤罪事件
一昨日、旧バージョンで作成したファイルをCorelDRAW X3で印刷したところ、黒い文字と、等高線オブジェクトが見事に色抜けしてしまいました。「これは何たる不具合か...」と驚天動地、それでも冷静さを装ってCorelDRAW 12で印刷し直してみると、「12よ、お前もか...」と絶句。X3は己だけでなく、12まで道連れにしたのか(以前、12では正常に印刷できていました)と、天を仰ぎかけたのですが...
やはり、地に暮らす人間、自分の足元をよく見つめ直すべきでした。プリントアウトの状態を確かめ、インクジェットプリンタを調整すると、キチンと印刷されました。そうです、黒インクのノズルが、目詰まりしていたのです。等高線オブジェクトも、色が黒かったので、かすれてしまっただけでした。CorelDRAWは、無罪だったのです。
日頃、CorelDRAWの“バグ”に関する非難や冷笑に、呆れて顔を背けている私だったのですが、いざ至近で異常が起きると、CorelDRAWに嫌疑をかけてしまう...。そんな人間の弱さ、考える葦の儚さに、自ら猛省を促した次第でした。
当サイトの「質問コーナー」にも、“まずCorelDRAWにバグありき”という、不具合に関する質問が寄せられることがあります。しかし、冷静な原因の見極めは、ユーザー側にも求められるでしょう。
市場原理の憂鬱
余談ですが、今回の件で、インクジェットプリンタを買い換えようかという邪念が、脳裏を過ぎりました。そこでEPSONのサイトを調べてみた(私はEPSON派なのです)のですが、A4インクジェットだけでも3系統5機種以上もあることに、うんざりさせられてしまいました。これらの仕様を比較するだけで、一苦労です。旧機種や他メーカの製品まで加えたら、天文学的な数字と言ってしまうのは相対性理論並みに大袈裟ですが、せめてコンビニのショーケースに並ぶ缶ビールの種類ぐらいにはなるでしょう。
そう、この十数年来、ビールの種類にまで“消費者の選択の自由”が保障され、私は辟易していました。これが、資本主義、市場経済の優位性と謳われているのですから、インクジェットプリンタ市場も、同じ毒に侵されているのは当然の成り行きですね。
その点、プロ向けドローソフトと言えば、CorelDRAW、Illustrator、いちおうFreeHandの御三家しか選択肢がありません。ですから、迷わずCorelDRAWを選べる幸せを、私は噛み締めています。